4年ぶりのカンティヨン醸造所(後編)
前回(2013年2月)以来、4年ぶりの訪問となりました。
最初は仕込室から。
マッシング槽と呼ばれるいわゆる仕込槽が鎮座しております。真上には粉砕機があり、原料である小麦と大麦麦芽が粉砕された後にこの槽に落とし込まれます。
仕込み工程が終わったら、階上にある煮沸釜へポンプを使って汲み上げられます。煮沸の段階でホップを加えます。
新鮮なホップではなくあえて古い(3年物)ホップを加えるのがランビックの製法上の特徴です。
そしていよいよ、屋根裏の冷却槽へ。。
画像の中央部に見える管から煮沸後の麦汁がこの平たい赤銅製の冷却槽に注がれます。この冷却槽をクールシップ(coolship)と呼びます。
夜間の冷気にさらすことで冷却します。自然に冷気で冷やすこの方法はとても伝統的な方法です。ランビックビールだけがこの方法をしているわけではなく、伝統的な製法を続ける醸造所に見られることがあります。
また夜間の冷気を使うわけですから、気温が下がる寒い季節だけしか造れません。
今は多くの近代的な醸造所が年間を通じて醸造できることに比べ、ランビックを造るカンティヨン醸造所では冬季しか醸造しません。